歯科ブログ

2020年08月29日

親知らず

 みなさん、こんにちは。アドベンチストメディカルセンター歯科研修医の上間です。研修が始まって5ヶ月が過ぎ、初めの頃と比べると出来ることは少しずつ増えてきていますが、様々な患者様に出会う度にまだまだ勉強が足りないなと感じる日々です。  
 ところでみなさん親知らずはありますか?私は4本全部ありますが、歯肉の中に埋まっていて口の中には出てきていません。親知らずがあるかわからないと言う方は一度歯科でレントゲンを撮って確認されてはいかがでしょうか。 
 そもそも親知らずとは前から8番目にある歯のことで、通常最も奥に存在している歯のことです。20歳前後に生えてくることがほとんどです。別名第3大臼歯、智歯、知恵歯とも言ったり、歯科用語では8番と言う言い方をします。ちなみに英語では「wisdom tooth」と言って日本語に直訳すると「知恵歯」と言います。これは物事の分別がつく年頃になってから生えてくる歯であることに由来するそうです。 
 ところで、なぜ親知らずと言うのでしょうか。平均寿命が40歳前後だった昔の人たちは自分の子供の親知らずが生えてくる前に亡くなってしまってこの歯を見ることが出来ない、というのが親知らずの名前の由来だと言われています。 
 私のように親知らずはあるけれど歯肉にずっと埋まっていて出てきていないと言う人は多いのではないでしょうか。それなのになぜ生えてくる必要があるのでしょう。それはかつて大昔はヒトも親知らずが正常に生えていたのです。その時代の食生活は、「煮る」、「焼く」などの調理技術が乏しく、木の実や生肉など硬いものをかじって食べる習慣が一般的であったため硬いものを噛み砕く力を得るために顎が大きく発達し、親知らずの生えるスペースができるため、正常に生えそろったと考えられています。しかし、時代を経ていくにつれ、柔らかく調理する技術や栄養状態の改善、食の欧米化が進み、現代人の顎は小さく退化したとされています。骨格の変化で顎が小さくなった結果、親知らずの生えるスペースが狭くなり、私のように歯肉に埋まったまま出てこないという現象が起きるのです。これはいわゆる人間の退化現象と考えられています。  
 最後に親知らずを抜く、抜かないの話になると思いますが、それについては歯科の先生と相談してどうするか決めるのが良いと思います。抜いた方がいい場合もありますし、抜かない方がいい場合もあります。AMCには素晴らしい先生がたくさんいますので、AMCの歯科を受診されることをお勧めします。

コメントを残す

いただいたコメントは承認後サイトに反映されます。また承認には数日かかる場合があります。